白珠の巫女

あとがき代わりに20の質問

1   この小説を書き終えた、今現在の心境を一言で簡潔に言い表してください。
「おわっちゃったよ……」(呆然)
って感じでした。まさに。
あとはもう発表したくてしたくてたまらなかった。満を持しての正式公開までが長かったー(泣)(待てずに先行公開してましたが、いつものごとく)
2   この小説を書く上で、一番書きやすかったところはどこですか?
エアリアスの暴走(笑)
3   この小説を書く上で、一番苦労したところはどこですか?
クリスの心理描写。これが薄っぺらいと、全く説得力のない話になっちゃいますから……。
あとは、どうしたってかーなーり不自然な設定の話なので、そこを押し切るのが大変でした(笑)
4   ボツにしたタイトル、仮タイトル、執筆中のコードネームなどありましたら教えてください。
プロットを練ったのが正味一週間ぐらいなので(笑)最初から最後まで、タイトルはこれでした。「宝珠物語」というシリーズタイトルは途中でつけたんだったっけ……?
略して「白珠」と呼ぶことが多かったです。
5   タイトルの由来(意味)は何ですか?
いや、そのまんま(笑)
昔の自分が、それはもうこっぱずかしいひねったタイトルが好きだったので(笑)ときにはストレートなタイトルにしてみようと思いまして。話の設定を思いついたときにはもう迷いなくこれでした。
しかしあまりにもそのまんまなタイトル名だけに、他の宝珠の話をどうするかいまから悩んでます。いくらなんでも「紅珠の巫女」「黄珠の巫女」とか続いてくのはあんまりでしょう(笑)
6   この小説を書き始めるきっかけはなんでしたか?
サイトの開設。ちなみに言うとサイトの開設のきっかけは大学の情報処理実習の課題。(笑)
その頃オフラインで書いてた現代サイキックに飽きてきてて、思いっきりファンタジー! な話を書こうと思って考えたのがこれでした。
そのときは10章もない短い話になるはずだったんだけどなあ……あれれ…………?
7   この小説を書く上で、何か影響を受けたもの(他の作品や、他媒体の創作物など)はありますか?
フェデリア騎士隊は、実は「三銃士」がイメージにあります。服装とかもあのへんが想定です。
あとは、クリスに関してはこっそりオスカル様を参考にさせていただきました……ドレス姿で舞踏会♪ とか(笑)
そういえば白泉社の「花とゆめ」で連載されていた『Wジュリエット』という漫画が、現代ものながらたいへんうちの作品に設定が似ていてびびりました(笑)あの、うちのほうが先ですから、たぶん!!!
8   これがあったから、この話がかけました!(これがなかったら、かけませんでした!)というものはありますか。
一番は、読者様のご感想。キャラクターへのラブコール。そして「はやく続きをかけ〜〜〜」という脅迫(笑)
私はリアクションがあることしか出来ない体質らしいので、たいへん励みになりました。
もしもこんなに感想が来なかったら、まだ終わってなかったと思います(笑。そしてCentury20が進んでいた気がします)
9   ボツにしたストーリー展開を教えてください。
数名の方から予測されたラストなんですが……
「クリスが宝珠の巫女になり、エアリアスがその守護騎士になる」というもの。
……実を言うと、最初の最初、考えていたラストがこれでした。突っ込まれてびびりました。クリスの強硬な反対にあったので、途中であえなく却下となりましたが。
あとはですね、駆け落ちラストもちょっと夢見ました(笑)
10   プロット(思惑)どおりに進みましたか?
いやいや……。クリスもエアもエドマンドも暴走する暴走する。父上とかレナとかも妙に出張るし! 3回くらい「そろそろ終わってもいいよね……?」というのを裏切られた気がします。それも、終わってみればいい思い出……? とか言いつつ、私、毎回話を書くたびに「キャラが暴走する〜」とわめいている気が。こういう書き方しか出来ないんだと割り切ってます、はい。
11   これが書きたくてこの話を書きました、という部分はどういうものですか?
クリスのお誕生日会シーンは、もう書きたい場面てんこ盛りでした(笑)ドレス着て美人になってるクリス、騎士隊礼装姿のエア、ダンスシーン×2、服装をチェンジして現れる2人、ダンスのパートのとっかえっこ、エトセトラ。もう毎回毎回楽しくて♪
他のところだと、やっぱりラストかなあ。最後まで悩んだんですが、歴史書のような閉じ方に憧れがあったんですよね〜。文体が非常に難しかったですが、好評のようでなによりです。
12   一番こだわったところはどこですか?
エアの美少女っぷり(笑)
……いやほんと、主役2人がタイプ違いの美形で、しかもそれぞれ男装女装で美人っぷりを披露してくれるわけですから、描写には力がこもりました。
あとは、難しかったところでもあるけれど、クリスの心情の変化かなあ。クリスを納得させることがこのお話の目標でしたので。
13   一番好きなキャラクターと、一番嫌いなキャラクターを、理由つきで教えてください。
好きなキャラ:エアリアス
 ……すいませんもんのすごく趣味入ってます。女装好きです。女顔の美形大好きです。この手のキャラをむりなくヒロインの相手役にするためだけに考えた設定といっても過言ではないかもしれない……(いやそれは過言)
嫌いなキャラ:……
う、うーんうーん。嫌いなキャラって書けないんですよね〜。とりあえず名前と台詞があるキャラは全員好きです。
14   実際にいたら嬉しいキャラクターと、実際にいたら厭なキャラクターを教えてください。
いたら嬉しいのは……クリスかな? お友達になりたいです。根本的にはフェミニストだし(笑) あとエドマンド君ですか。しみじみと苦労を分かち合いたい……。
いたら厭なのは、そりゃあエアでしょう(笑)こんなヒト隣にいたら女としての自信が粉々です。……いやある意味最も切実にいて欲しいキャラでもあるんだけれども…………!
15   この人にはこの言葉を言わせたかった!という台詞をキャラ別にどうぞ(実際に言わせていなくてもOK)。
いわせたかった、というより、書いたあとで「よっしゃ!」と思った言葉ですが……
クリス:「クリスは貴方だけの騎士です。――わがあるじ、白の宝珠の巫女よ」
もひとつクリス:「さあ、――帰りましょう」
エア:「――クリスタル、どうか貴方を、私だけの騎士に」
エドマンド:「望みがないのわかってたから、言うつもりなかったけど。好きな子と恋敵をくっつけるためにばらすってのも、凄絶に僕らしく馬鹿だよね」
レナ:「貴方はそうして逃げておいでですが。それで巫女様をお幸せに出来ますか」
父上:「見ているだけではなにも手に入らんぞ。欲しいものがあるなら、あがけ。自分の力で奪ってみせろ。指をくわえて自分から引き下がるような娘に、育てた憶えはない」
16   この小説の登場人物たちを使って、別の話を書く予定はありますか?
番外編はいくつか。クリス&エアのその後とか、いろいろ。
新作としては……宝珠ものの別の話に、ちらっと姿を見せるかもしれませんねえ。
17   この小説の中でこの部分が一番会心の出来なのです! というシーン(か台詞)を抜粋してください。
古いんですけど……気に入ってるといったらこれかなあ。

「クリス」
 伸ばされた腕をはねのける。まるで子供の癇癪だ。判っていたけれど、止まらなかった。

「だってそれしか私にエアを護る方法なんてないじゃないか!!」
 それだけがクリスに出せた答えだったのだ。

「……クリス!」

 何度目かに名を呼ばれて。
 左の手首に鈍い痛みが走った。なにかをひどくぶつける音。左腕と背中に固い扉の感触。
 そのすべてが遠かった。
 鮮明に感じたのは涙の塩味と、
 声を封じた温かななにか。

「……クリス」
 そっと唇を離して、息のかかる近さでエアリアスがもう一度呼んだ。

18   この小説で取り上げたテーマやアイデアに、もう一度別の形で挑戦してみたいですか?
さすがに女装ものをもういちど書いたら怒られるでしょうが(笑)
ジェンダー論的な部分は、たぶん無意識に繰り返し私の話に出てくるテーマなんじゃないかなあ、なんて改めて考えてみたり。
あと、恋愛を描くのはずいぶんと楽しかったので、これからもメインで書いていきたいなーと思っています。
19   何か、これだけはしておきたい言い訳というのはありますか?(笑)
えっ……。ええと、更新遅くてすみません、でもね、わりと定期更新してるんですよ、2年以上ずっとほぼ3ヶ月で出してるんですよ!(←遅いわ)
20   最後に一言どうぞ!
お読みいただきありがとうございました。たくさんのかたに応援していただいて、本当に幸せだなあと思っています。
クリスとエアという二人を愛してくださって本当に嬉しかったです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたしますね!
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