花迷宮放浪記 - Diary - 2003年09月

9月1日

9月になってしまいました。
夏休みが終わったので、朝のラッシュの混雑もひとしおです。
こんなに混んでちゃ本も読めないよ……。

お昼の時間に職場の女の子たちと漫画の話になりました。
なーんだ、けっこうみんな読んでるんじゃん……(安心)
自分にオタクの自覚があるので、
こういう話題になると、周囲にひかれないように身構えてしまいます。
ああ、ふつうの女の子同士のおしゃべりって、緊張するわ(笑)

9月2日

呉善花さんの『スカートの風』『続 スカートの風』を読んでいます。
韓国から日本へ留学し、今では韓国語・日本語教師ともなっている女性のエッセイ。
朝鮮半島の精神文化に触れたのは、
私は金蓮花さんの『銀葉亭』シリーズがはじめでしたが、
さらにずっと生々しく朝鮮半島に生きる人々の思考に触れられて、とても興味深いです。
特に女性の生き方については本当にまるで常識が違って、目をぱちくり。
本当にいろいろな意味で「近くて遠い国」なのだなあと、しみじみ思いました。
人同士の交流でも、本を通じてでも、映画や音楽やアニメやネットでも、
わかりあっていけるといいですね。

【9/1 読書記録:スカートの風】

9月8日

すすすすみませんさぼりまくり……

人の悪口を言わない人、というのが、
なりたい人間像のひとつなのですけど。
愚痴を共有することで距離が縮まるのも、
否定できない人間心理でしょう。
そこでひとり超然といられるほど、私は大人でいられなくて。
難しいなあ……。

9月9日

『本当は残酷なグリム童話』とか、あるじゃないですか。
読んで首を傾げたものです。

「えっ……いやだってそもそもこういう話だったじゃん」(笑)

なぜだか知りませんがうちにあったのは原書のかなり忠実な訳のグリムだったようで、
そもそもグリム童話とはこういう話だと思って育ってきた私。
王様が娘に近親相姦迫って娘が逃げ出すとか、
塔から落っこちて茨で目を刺して盲目になる王子様とか、
主人の子供を生き返らせる方法を喋る代わりに蛇との約束破りで石にされる従者とか、
お嫁に行く旅の途中で侍女に下克上された姫様とか、
なんだかいろいろ覚えてるんですけれども。愛読書のひとつだったものなあ。
いちばん好きな話は百皮かぶりの姫様(太陽と月と星のドレスの描写が綺麗でねえ……!)。

ちなみにほかに良く覚えてるのはアラビアン・ナイトや余市姫物語で、
宝石の谷に巨大な肉塊を落として鷲に拾わせる宝石取りの話とか、
盗賊が隠れたつぼにぐらぐら煮えた油を流し込んで殺してみたりとか、
子供ってそういう話ばっかり覚えちゃうんですよね。

9月11日

心のままに笑って泣いて怒るひとに、感じるのは苛立ちと羨望。
私は自分の感情に自信がもてないから。
はじめは不安は「ずれ」だった。多数派とのずれ。
私の喜びは悲しみは怒りは、他者とずれたところにないだろうか。
そういう不安が裏返されて、もうひとつの不安を生む。
私の喜びは悲しみは怒りは、本当に私のものだろうか。
嬉しいから嬉しいのか、
嬉しく思うべき場面だから嬉しいのか。
堂々めぐりは、終わらない。

誰か私を抱き締めて安心させて。
私が人間の皮をかぶった影法師じゃないって信じさせて。

……なあんて。
そんな弱音を平気ではけるくらい、
日々は平和で幸福でございます。

9月11日

最寄り駅のホームで電車待ちしてたビジネスマン。
右手にしっかり握り締めたすすきとネコジャラシに、思わず注目してしまった。
お月見用かなあ。こどもへのお土産かしら。

なごみました。

9月15日

阪神優勝しましたねえ。おめでとうございます。
広島が負けてマジック1だったのでかなり心境としては微妙です。
私は広島が勝って巨人が負けると嬉しい広島人。
しかもサヨナラ負けかよー!
2位から5位は見事にダンゴなので、
がんばってAクラスは死守してもらいたいものです。

阪神ファンの盛り上がりっぷりは素敵だと思います。
広島が優勝してもああはならないもんなあ……。
絶対出るだろうと思いましたがやっぱり道頓堀飛び込み出ましたね。
飛び込み者お断りの銭湯に笑いました。そらあいやだわな。

3連休は見事にだらだらと死んでいました。
更新? えっ何のハナシ?(笑)
いや冗談じゃなく。同じ屋根の下にほかの人間がいるとどうも書けないんですよ。
困ったものです。

9月17日

通勤電車(&バス)のおともはだいたい文庫本。
しかし連休明けくらいからバスも電車も混みこみで、
文庫を持つ片手ぶんのスペースも危うい感じです。
なぜあんなに混むのでしょうと言いたいところですが、
午前8時前後の東海道線のぼりが混まなかったらそれはそれで異常な気がする。

さてわたくし、活字中毒というか、
読み始めるとぎりぎりまで本と離れられない性格です。
バス停に着いたら本を広げて、会社の前まで読み続けます。
バス→電車→もいっちょ電車という乗り換えですが、
当然のように乗り換えの徒歩部分も読みます。歩きながらでも読みます。
……あ、いちおう前も見てますから。ひとにも電柱にもぶつかりません。
本読みつつ歩いても階段から落ちないのは、すでに特技といえるかも。
しかしまわりからしたらあぶなっかしくて近寄りたくないだろうなあ。
ごめんなさい。

……そして帰宅したから明日のお楽しみ、にもできないんですよね。
かくして一日一冊本が消費されていく毎日。
当然のごとく、毎回新しい本とは行きませんから、もう再読の嵐です。
お気に入りの本は、2ヶ月弱の通勤生活で2順目が終わりました。

……誰か私に入れても入れてもいっぱいにならない本棚をください。

【9/16 読書記録:グリーン・レクイエム】
読書日記が書きたいなあ……。

9月23日

先日プチ同窓会みたいなものがありまして。
いえ、女の子4人で夕飯(ちゃんこ)食べてお酒飲んで喋っただけなんだけど。
やっぱいいですねえ。楽しいです。
台風接近中じゃなきゃ、さらに良かったんですが。
ハチ公口まで行ってハチ公の前にいるぞと言われてわからない私。
(ごめん……傘の群れで見えなかったんだ……)

結婚祝いなぞいただいてしまいました。花束と紅茶。嬉しいなあ。
花束は白のトルコ桔梗がメインの、秋らしい、大人っぽい素敵なやつでした。
紅茶はマリアージュ・フレール。あそこは包み紙も上品で好き。

おともだちの一人がガンダムマニアだということを知ってしまったり。
どうやら有名な話だったそうです。知らなかった……。
実はひそかにけっこう好きなんですが。古いのは。こんど語ってください。

語れるほどはまってるものがあるのはいいよね。
私はなんだろう。…………指輪? うーん。
いまのところは「オンライン小説サイトを運営すること」が
私のはまりもののような気がします。
小説を書くこと、じゃないのが問題なような気がしますね。

さーて、お話の続きを考えよう。

【9/21 読書記録:屍鬼1/HELLSING1・2】

9月26日

行ってきました東京ビッグサイト。
お台場で降りたのは初体験だよ……(通過なら3度ほど)
いやはや広いのですね。足が疲れました。

Hearing Style】さんで面白いアンケートやってます。
『連載小説の更新速度について』のアンケート。
こういうのを見るたびに私ってとことん極道やなあと思います。
限りなく最遅組ですものどう考えても。ふ。

小説を書くことって、私にとってはなんなんだろと思ったりします。
読んでもらって反応もらって、そういうのが好きなはずなんだけど。
でも思い返せば、誰にも読まれない話を小学校のころから作っていた。
当時使っていたワープロやイラスト帖に、いくつかの物語の断片があるはず。

『小説が書かれ読まれるのは、人生がただ一度しかないことへの抗議だと思います』

好きな作家さんがどこかで書いていた言葉です。
そうかもしれないと思う。

【9/25 原獣文書7】
↑いつの間に……

9月28日

気がついたら週末も終わりですか。あれあれ。

ネットを徘徊するようになってからというもの、
そのときどきのハマりもののファンサイトめぐりが趣味のようになっています。
最近だとまず指輪物語、それから十二国記。
テニスの王子様サイトをうろうろしてたときもあるし、
ガンダムサイトめぐりを楽しんだときもあります。
あ、踊る大捜査線のサイトもずいぶん巡ったっけ。
懐かしいところでは有栖川有栖に京極夏彦、若木未生、富樫義博。
このへんはネット始めてまずサーチかけたところかな。

自分の好きなものを好きといっている文章を読むのが好きなのよね。
あれがいいこれがいいという気持ちを、
他人がどんな言葉で語るのかにすごく興味がある。
秀逸な表現に出会うとすごく嬉しくなっちゃいます。

9月29日

そういえばどこかで一度書いておこうと思っていたこと。
うちの(いちおう)看板小説ということになっている『白珠の巫女』ですが、
「はくじゅのみこ」と読んでください。
なんか誤読を誘いやすいタイトルらしいんですが、
あの、しらたまでもしろたまでもないんです……。
ついでにいうとわたくしの名前はふづき・ゆう。
これも、ふみつき、ふみづきのほうが一般的な読み方かもしれませんが。

どちらもわりとシンプルなネーミングと思っていたのですが、
思い込みというのは厄介なものですね。
次にタイトルをつけるときには気をつけよう。

【9/28 読書記録:屍鬼4】

花迷路
Akiary v.0.51