花迷宮放浪記 - Diary - 2000年01月

1月1日

今回の年末年始は、結構長いこと実家に戻っていました。
私にとって実家というのはとても居心地のいいところであり、いまだに「帰る家」です。
一年のほとんどを過ごすつくばの部屋も、まだ私にとっては仮の宿。
でも今年、弟が下宿に帰るときの「行ってきます」って台詞に、なんとなく引っかかってしまいました。
一人暮らしの部屋へ「行く」のでなく、「帰る」という感覚に、とうとうなってしまったのかなあ。
なんだか宙ぶらりんな気分です。

【1/10 読書記録:はみだしっ子3・5/HUNTER×HUNTER 7】

1月13日

昨日、「ここがヘンだよ日本人」を見てました。
あまり好きなタイプの番組じゃないのに、ついつい見てしまうのはなんだろう。
ちなみに昨日のテーマは「日本人女性の性意識」でした。
しっかし、いつも思うけどあの番組に出る日本人って極端だわ……。
思わず「私に喋らせろコラ!」とかテレビに怒鳴りたくなる私(しませんよ、しませんが)

極端な人たちに「日本人っていうのは……」って喋られるのは、なんか、厭ですね。
そういう人たち相手に「おまえら日本人は」って発言が出るのも、やっぱり厭ですが。

【1/12 読書記録:はみだしっ子6】

1月17日

私の、人間の信じかたというのは、なんとなく奇妙なような気がしてます。
盲目的に近い信頼とかたくなな不信と。両方が同時に成り立ってるの。
信頼は、言葉に対して。
「言葉」として外界に出てきたものは、それが嘘だという証拠がないかぎり信じてしまう。
それでときどきがっかりさせられたりするとしても、やっぱりあんまり疑わない。
不信は、ひとの心に対して。
というよりむしろ、私の洞察力に対して、かな。
自分でない人がなに考えてるかが判らない。
だからいつも、どう思われるだろう、嫌われないだろうか、誤解されてないだろうか、
……そんなことばかり疑ってる。
とても近い人に対しても、「嫌われない」「馬鹿にされない」って信じきるのは、
私にはとっても難しくて。
それだからいつも、言葉での保証を欲しがってしまう。

とはいえ、他人の目ばっかり気にして行動してるわけでもないとは思ってるけど。
ただ、たくさんの人に愛されることや、誰かの一番になることを、
どこかで諦めてしまってるのは、多分この疑い深さのせい。
最近、少しずつ改善されてきてはいるのですが……。

自分がこんな性格してるから。
できるだけ、思ったことは言葉でちゃんと伝えよう。
まずは自分が、信じてもらえる人になろう。
そんな風にも、思っています。

【1/16 読書記録:ちょー魔王(下)/ソロモンの指輪】

1月20日

なんかねー、比文の受験案内パンフレットに載るっていうのよ、このサイト。
まだ、決まったわけではないようだし、私だけというわけでもないのだけど。
候補にあがったということは見られているということなのだ……ああ恥ずかしいぃ。
しかも、それを教えてくれた担任の先生はイラストのページに言及してくださったし……
ははははは。もう、乾いた笑いしか出てきませんね。
先生方、今後とも暖かい目で見守ってやってくださいまし……。

先生に限らず、実は身近な人にHPのことを言われるのはなかなか恥ずかしいものです。
趣味が同じ、あるいは私の趣味を良く知ってる友人なら、
もう慣れちゃってて気にならないし、むしろそういう話は楽しいのだけど。
目上の人とか、趣味の話をしたことのない人に「見たよー」「見てるよ」と言われると、
もう恥ずかしくってたまらなくなっちゃう。
もちろん、同時にとても嬉しくもあるのですけど。

まぁ、これはこのサイトの性格上、仕方のないことなんでしょう。
なんたってここ、思いっきり私の好きなものをぶちまけてますから。
全部とは言わないまでも、私という人間の7割くらいはばれてしまいます。
判ってもらうのは嬉しいけど、判られてしまうのは恥ずかしいのよね。

ちなみに、この放浪記については、身近な人に話題にされてもかなり恥ずかしい……。

【1/19 読書記録:紅茶王子2・3/たたかう少女2】

1月24日

どれだけ緻密で正確な絵を描いても、
たったひとつの言葉にかなわないリアルもある。

幾百幾千の言葉を連ねても、
たった一枚の絵にかなわない一瞬もある。

それはときどきとても悔しいことなのだけれど。
だから挑戦するのです、きっと。
かなわないまでも、少しでも近づけるようにと。

【1/23 読書記録:原獣文書4/淋しい狩人】

1月26日

自分がもう、絶望的に恵まれてるんだなって、ときどき思い知る。
……変な表現だよね。絶望的。思い知る。
恵まれてるというのは幸せなことなはずなのに。
うん、感謝してる。幸せだと思ってる。自分がとっても、恵まれて生まれ育ってきたこと。
だけどときどき悔しくて悲しいんだ。
私にはきっと永遠に「わかる」ことのない気持ちが――不幸があるってことが。
想像することなら。思い遣ることなら。頑張ってできる、そう思いたい。
でも真実の理解はできないだろうって言われたら反論できないのよ。
それがちょっとつらい。

……なんて、言ってみても。「ときどき」だし「ちょっと」なんだよね、私。
判らないからって、不幸になってもいいなんて思えないし。
人間なんてそんなもん、なんて言えない。ただ、私なんてそんなもん。
ならせめて、いまの自分の幸せを喜んで、いまの自分の幸せに奢らないで生きたい。
そして誰かを、ひとりでも、すこしでも、いまより幸せにしてあげることができたらなぁ。

【1/25 読書記録:幻色江戸ごよみ/龍は眠る/雑誌コバルト】

1月27日

気がつくとよく、空を見上げてます。
なかでもやっぱり、月を見るのが好き。
名月の季節は秋だけど、きんと寒い冬の日の満月もいいです。
つめたくて容赦のないしろいひかり。
こんな月になら、かこつけて泣いちゃっても許されそう、なんて。

なげけとてつきやはものをおもはする かこちがほなるわがなみだかな

【1/26 読書記録:双迷宮】

1月28日

昨日の日記のラストですが、出典は百人一首です。
西行法師、だそう。確認してみてへえ、と思いました。
西行法師といえばやっぱり、「花の下にて春死なむ」が印象強いです。
そういえば、あれも月の歌でもあるのですね。如月の望月。
私はどうしてもこの歌と「桜の木の下の死体」が結びついてしまう……。

追伸。
本日の更新とか、ここにちょろっと書いてみたら……便利な人っているかしら?

1月30日

晴れた日にはお布団を干したいねって言って。
暖かい日にはお買い物日和なんて言って。
所帯じみてる、なんて笑う?
でもそういうのが好きです。
地に足つけて、生きてる感じがするでしょ。

【1/30 読書記録:BC! な話/美貌の帳】

花迷路
Akiary v.0.51