ソードワールドオンラインセッション 第7回(前半)

2006/7/17

新メンバーを迎えてのセッションも3回目。キャラクター同士のやりとりも、だいぶ息が合ってきました。
前回、前々回とモンスターを相手にしたダンジョンシナリオをプレイしてきましたが、今回は一転して芸術の都・ベルダインを舞台にしたシティ・アドベンチャー。戦闘能力よりも推理力と機転を求められる「まちぼうけん」シナリオで、果たしてパーティは無事ミッションをクリアできるのでしょうか……?

さて、まずは登場キャラクターをご紹介。

ルカス=ウィールド (人間/ファイター4レベル、レンジャー1レベル、セージ1レベル)
両手持ちバトルアックスを振り回す、いけいけ猪突猛進ファイターと思いきや、実はなかなか慎重派? 知力ヒトケタでも学者生まれは伊達じゃなく、時に思いも寄らぬひらめきを見せます。でも、そのひらめきの使いどころはいつも微妙。
ジリたんアタックのかわしかたが、どんどん確信犯的になっている気もする18歳。
器用度:16 敏捷度:12 知力: 9 筋力:18 生命力:14 精神力:14
(プレイヤー:桂木忍@【Daybreak】)

ジリィー=ショーウェン (ハーフエルフ/シーフ4レベル、セージ1レベル、ヒーラー3レベル)
ハーフエルフの妖艶美女シーフ。ルカスにぞっこん惚れて猛烈アタックをかけるも、当の本人にはまったく相手にしてもらえないどころか、いまだにシリルが相手と誤解されている始末。それでもめげずにルカスルカスと連呼の日々。がんばれ。
1ゾロクイーンはなんとか返上したものの、あいかわらず捜索は苦手な20歳。
器用度:21 敏捷度:21 知力:17 筋力:14 生命力:14 精神力:9
(プレイヤー:穂高あきら@【Novelism】)

ビルギット=ロウ (人間/プリースト4レベル、バード2レベル、ファイター1レベル)
芸術神ヴェーナーの神官であり、吟遊詩人。その歌声は今やパーティの貴重な収入源。
歌の儲けは神殿とパーティの共有財布へ惜しげもなく寄付、世の中に悪いヒトなんていないと断言し、美味しい食事があれば幸せになれるその姿は、汚れた心の持ち主にはとても眩しい。
戦闘が楽に片付いてしまうと出番がなくてちょっと淋しい22歳。
器用度:15 敏捷度:13 知力:9 筋力:11 生命力:15 精神力:16
(プレイヤー:彩根耕二@【道化師の図書館】)

フラム=プファイル (人間/ソーサラー2レベル、セージ2レベル、シーフ1レベル、レンジャー1レベル、ハンター3レベル)
シーフ捜索での脅威の出目を誇る、技能コレクターな火の玉娘。
共有財布を預かるせいか、はたまたスクロールに魔晶石と高価な消耗品の消費が激しいせいか、だんだんお金への執着が激しくなってきたような気が。
プレイヤー本人をも嘆かせる旺盛な好奇心が、いつか仇にならないことを祈りたい20歳。
器用度:14 敏捷度:16 知力:18 筋力:13 生命力:10 精神力:11
(プレイヤー:茅@【茅葺き屋根の家】)

シリル=フェイ (エルフ/シャーマン3レベル、シーフ1レベル)
前回いろんなところで妙なフラグを立てられかけていた、エルフの精霊使い。
パーティの外務大臣として、対外交渉場面では必ず肩をぽんと叩かれる。本音とタテマエを使い分け、めざせおしろいエルフ。
1ゾロ狙いを宣言して本当に出してしまった、名実ともに堂々の1ゾロキングな105歳。
器用度:19 敏捷度:15 知力:17 筋力:8 生命力:11 精神力:17
(プレイヤー:文月夕@【花迷路】)

依頼人、登場

前回の冒険から3日が経ちました。旅の垢もすっかり落とし、冒険者たちは馴染みの宿<金花亭>で、今日も揃って夕食のテーブルを囲んでいます。

ジリィー 最近、シリルにルカス情報を聞いたりしてる(笑)

シリル そんなことを聞かれていたんですか。

ジリィー 同じ部屋なんでしょう、聞くよ。外堀から作戦。

そんな会話をしながら、めいめいが夕食の注文をしようとしたところで(若干一名、すでに食べ始めている者もいましたが)宿の外からなにやら騒ぎが聞こえてきました。

ルカス いいカンジのざわざわですかね?

GM あまりよくないカンジです。おかみさんも「どうしたんだろう?」って首をかしげてます。

シリル 喧嘩かなにかかな。気にせず食事を頼みます。

ルカス オレ、見てこよう。気になる。

ビル ビルは食事中は動かないです。

ジリィー ジリたんも野次馬根性でちょっと席を立つ。

フラム フラムは外に行くかな。

ルカス 両手に花だ(笑)本人、自覚ないけど。

ルカス、ジリィー、フラムが宿の外に出てみると、若い女性が気性の荒そうな男たちに脅されている場面でした。

GM 男「おうおう。ここで会ったのが運の尽きだったな。おとなしく我々の言うことを聞いてもらおうか」

GM 女性「そんなこと言われても…」 

GM と、女性のほうは困っている感じですね。

ルカス 何!? それは助けに入るんだろうなあ。ジリたん助けたくらいだもんなあ。

ジリィー ジリたん、そういうの嫌い。ルカスに目配せ。

ルカス 天然作戦で行くか。「何してんのー?」

シリル しまった、女性の危機! でも中にいるから気づけない!

フラム じゃあ、フラムがシリルに向かってそんな話をしましょう。

シリル 話を聞いたら食事置いて飛び出します。

ビル 「パンおかわりー」とビルはそのまんま。

GM 男「ああ? 俺たちは『お願い』をしてるんだよ。お前らは何の関係があるんだ?」

ルカス 「言うこと聞けって『お願い』じゃないよ(笑)」 天然笑顔で。

GM 男「あちらさんが『お願い』を聞いてくれないので、困ってるんだよ」

ルカス 「どんなお願い??」

GM 男「それは関係ない奴には言えないな」

シリル 「そこをお退きなさい!」 ビシィ! と指突きつけつつ、男と女性の間に割り込みます。

フラム 「うちのエルフ怒らせると怖いわよー」

ジリィー シリルの後にくっついていって女性の横に片膝つきます。「大丈夫?」

ルカス 「まあまあしーさん落ち着こうよ。もしかしたら女の人が悪いかもしれないし(笑)」

GM 男はシリルの方を見て「お前、なんだ?」と言ってきますね。

シリル 「通りすがりのものですが?」

GM 男「なんでそんな奴が態度でかいんだ?」

シリル 「かよわい女性に狼藉は許せません。それだけです」

ジリィー 「あんたの方が態度でかいじゃない!」言葉で加勢(笑)

シリル 「『お願い』があるだけと言うのなら、もう少し穏便にしたらどうなのです?」

GM 男「……なんかよく分からなくなってきたな。ここは、勇敢なエルフたちに免じて引いてやるか」

GM 女性に向かって「『お願い』を覚えておけよ」と言って、男は去っていきますね。

ルカス あれ、引いてくれるんだ。手を出してきたら遠慮なく殴れたのになあ。

GM おー、コワ。

ルカス 悪いヤツは殴っていいって言われたもん。

ビル 食事終了。様子を見に外へ。「何かあったの?」

ジリィー ジリたん、一歩引いて消えてったヤツラに「いー」ってやってます(笑)

シリル 「ご無事ですか、レディ? お怪我などは?」と女性を気遣います。

GM 女性のほうはびっくりしてますが、特に怪我などはないようです。

GM 女性「いえ、別に怪我とかは……。彼らに脅されていただけですので」

ルカス 「あいつらに何かしたの?」

シリル 「なにかお力になれるかもしれません。よろしければお話をうかがわせていただけますか?」

GM 女性「そうですね。立ち話もなんですし……」と、皆に続いて宿に入ります。

フラム 「ビル〜、ごはん一人前追加お願い〜」

ビル 「マスター、お嬢の分のご飯よろしく〜」と店中に大声で。

フラム 「私のごはんじゃないわよ! この人の分よ!」

ルカス オレ、まだご飯注文してないよなあ……おごりにならないかな。

ジリィー 「マスター、うちの分もー」

ビル 「だってー、マスター」

フラム 「マスター、私の分の食事もお願いです〜」

ルカス まーいーや。「オレもオレもー」

ビル 「じゃ、僕もー」

GM マスター「あいよー、たくさん食べるんだなー」

ルカス 「まだ食べんの?」

ビル 「歌い手はカロリー消費激しいのよ」

ホントに相変わらずごはん大好きですね、このひとたち。

シリル とかやってるあいだに女性のぶんの椅子を用意してきましょう。

GM 女性はお茶を注文してます。「危ないところを助けていただいてありがとうございます」

ビル 「どういたしまして」

ルカス 「お茶だけ? 肉食べないとだめだよー」

フラム 「頼んだ分があるから、これも食べて」

GM ベロニカ「では、お言葉に甘えて」 と、ごはんをいただきます。

ルカス 「元気のモトは肉だよねー」

ベルダインの夏祭り

GM 女性「私はベロニカと申します。」 と自己紹介。

ジリィー 「ねぇ、ベロニカさん。さっきのガラ悪いオトコたち『お願い』って言ってたけど……知り合い?」ジリたん、ガラ悪い男たち嫌いです。

GM ベロニカ「いえ、知り合いというわけでは…」

ルカス 「いいひと? わるいひと?」

シリル 「あの男たちは『お願い』があるだけだと言っていましたが……」

GM ベロニカ「はい。なにやら、夏祭りの出品を辞退しろと迫られたのです」

ビル 「むむ、それは許せないなぁ」

ルカス 「何出品するの?」

この「夏祭り」ことベルダインの例大祭は、公式にはないGMオリジナル設定。こんなお祭りです。(詳細はGMのブログ記事参照)

■概要
ベルダインではヴェーナー神殿による夏の例大祭と冬の例大祭が執り行われる。
テン・チルドレンの各地や隣国ロマールからは当然のこと、遥か当方のミラルゴから来る人もいるとか。
芸術家としての名声をあげるまたとない機会なので、芸術家も各地から集まってくる。
ベルダインの人々にとっては馴染み深い祭りで、単に「夏祭り」「冬祭り」というとこの祭りを指す。

■夏の例大祭
夏の例大祭では美術品(本、絵画、彫刻、アクセサリーetc)、工芸品(武器、防具、衣服、家具...)のコンテストが実施される。
一日目の宵宮では、本殿前の広場でコンテストの対象となった作品が披露される。
公開された作品は誰でも見ることができ、好きな作品に一票を投じることができる。
宵宮での投票の結果を踏まえ、部門ごとの最優秀作品のみが三日目の例大祭でヴェーナー神殿に奉納される。
ヴェーナーの最高神殿であるベルダイン本殿への奉納は大変な名誉とされており、多くの芸術家たちがこの名誉を求めてベルダインに集う。

夏の二日目にあたる若宮の例大祭では、過去に起きた地震と津波による被害を偲ぶため、旧市街から新市街への遷宮を再現する神事が執り行われる。
ご神体が旧市街の本殿より運び出され、旧市街の本殿から新市街の若宮まで運ばれる。この際、ご神体に触れるのは失礼にあたるため、運搬には神輿を使用する。若宮での神事が終了すると、再度ご神体を神輿に乗せ、本殿まで戻す。
行列は先頭から神官、音楽家、舞踏家、神輿の順である。あでやかな服を着た神官が先導し、リュートやフルートを持った音楽家が演奏し、舞踏家が舞を披露するなかで、神輿が運ばれる姿は、それ自体が一本の絵巻物のようであり、一見の価値がある。

例大祭は申込者が多いため、ヴェーナー神殿では事前審査を実施している。
提出作品は事前にヴェーナー神官および専門家による一事審査を経て、優秀な作品のみが例大祭で披露される。
例大祭で披露されたとなると、芸術家の名声に箔がつき、パトロンを得やすくなる。
惜しくも選から漏れた芸術家たちも、見出してくれるパトロンを期待して、あるいは観客を求めて、市街の各地で芸や作品を披露・販売している。このため、祭りの期間中にベルダインを訪れた旅人は「芸術の都」を体感できる。

■日程
夏は8月中旬。冬は12月下旬。
一日目:宵宮 / 二日目:若宮の例大祭 / 三日目:本殿の例大祭

この設定を読んだプレイヤーの反応は……。

ルカス コミケみたいですね!

GM それは言わないお約束。

ルカス だって日程がそうツッコめと叫んでる! じゃあオレは出品作品作るためにこもろうかね……。

ジリィー そんなルカス、イヤ(笑)

シリル ルカスが篭ってどうします(笑)

ビル じゃ、ビルか(汗)

ジリィー いや、ビルはこもるくらいだったら歌ってて(笑)

GM ビルは喉自慢だから冬だね。

ジリィー あ、そうか。冬ならいいのか。

GM というか、神官だからきっと準備委員会。

ビル あー、道理でビルが珍しく神官服着てると思った。

GM 飯食うときに神官服着なくても(笑)

ビル いやいや、無精者だから着替えるの面倒臭いんだよ。

ルカス ぴちぴちの神官服のお腹がちょい苦しくなったり(笑)

ビル ちょっと買い替えを検討してるのよ。

ジリィー 検討する前に食べる量減らした方が早いんじゃ……。

ルカス うんどうしよう! ビルくん!

GM あ、そうそう、ビル君の働いているのは新市街の神殿です。『ソードワールド サポート』読んでたら、ベルダインにヴェーナーの最高神殿があった事実に気づいて。以前のセッションで決めたプリーストの上限と矛盾したので、設定を追加しときました。

さて、夏祭りについての雑談はこのくらいにして、依頼人との会話に戻りましょう。

ルカス まあつまり、べーさんは今年の優勝候補で、ライバルがべーさんの出品を阻止したがってるって事ですか?

GM 優勝候補とまではいかないですが、宵宮にでるぐらいのレベルではあるとされてます。

GM ベロニカ「私の専門は彫刻なんですが、どうも私が出品するのを快く思ってないひとがいるらしく、出品をするなと脅されてしまったんです」

ルカス 「相手に心当たりはあるの?」

GM ベロニカ「いいえ、心当たりがなくて困っています」

シリル 「あの男たちは、出さなければどうするというような脅しは口にしましたか?」

GM ベロニカ「それが、我々はあなたに出品してほしくないんだ。の一点張りでした」

ルカス 本当にお願いだなあ。

ジリィー あんな不穏当なのは「お願い」と言わない!「今まで嫌がらせみたいなのは受けてなかったの?」

GM ベロニカ「いえ、今までは特にありませんでした」

フラム 「えーと、突拍子もない考えかもしれないけれど、あなたの作った彫刻になんらかの魔法の効果が出る、とかは?」

GM ベロニカ「すごい効果があるという話は聞いたことがないですし、私自身も見たことがありません」

ルカス 「材料に特殊なものを使ったとか」

GM ベロニカ「普通の木材を使ってます」

ジリィー 「お約束だとこういうときに1番怪しいのって優勝候補とか対抗馬?」

ルカス 「でも、べーさん自身が優勝候補じゃなきゃべーさんだけ脅しても意味なくない? ……あ、出品予定者全員が脅されてる可能性もあるのか」

シリル 「彫刻部門に出品するかたで、有力な作家というと誰がいるでしょうか?」

GM ベロニカ「優勝候補と呼ばれる方だと、ライさんとか、クライスさんでしょうか」

シリル 「それぞれ、どのようなかたです?」

GM ベロニカ「どんなと言われると…ライさんはヴェーナー神などをモチーフにした宗教的な像が得意ですね」

ビル 「へー、見てみたいなー、それは」と急に食いつき始めたり。

ジリィー 「クライスさんは?」

GM ベロニカ「クライスさんは、動物の彫刻への細かい細工を得意としています」

ルカス お。こっちのが興味あるかな。

シリル 「そのお二人の、これまでの受賞歴は?」

GM ベロニカ「お二人とも、彫刻分野での最優秀作品に選ばれたことは何度もあります」

フラム 「ベロニカさんは、どういう彫刻を得意とされてるんですか?」

GM ベロニカ「私自身は、男性像を得意としています」

ルカス 「モデルが公になっちゃいけない人とか」

シリル 「差し支えなければ、今回はどんな作品なのか教えていただけますか?」

GM ベロニカ「今回はライさんの業績にあやかって、ヴェーナー神をモチーフにした神像を作成しています」

フラム 「男性像は多分全身像、よね? 女性像ならトルソ(胴体部分)だけというのもよく見るけれど。どれくらいの大きさ?」

GM ベロニカ「はい。全身像です。大きさは30cmぐらいです」

ジリィー 「うーん……ライさんにあやかって、って聞くとライさんが怪しく思える」

ビル 「見たい見たい見たい見せてくんなきゃやだー」

ジリィー 「神官服でダダこねないの(笑)」

ルカス もうちょっと待てば見れるよ。出品すれば、だけど。

GM そうか、ビルはヴェーナーの神官服を着てたんだっけか。では、ビルの方に向かって、

GM ベロニカ「では、出品までの一週間の護衛をお願いできませんか」と聞いてきます。

ビル 「うーん、なんかコミケ運営委員としては捨て置けない状況な気がするよ」

シリル 激しくビルくんに目配せ。受ける気満々!(笑)

ビル ピピピ了解。「受けましょう、その話」

GM ベロニカ「では、お願いできますか。」と、目をキラキラさせてますね。

フラム 運営者は参加者に関わるべきではない、とフラムは思いますが口を出せる状況じゃないなぁ……。

ジリィー 下っ端だから問題ないでしょ、とジリたんは思ってる。

ルカス 報酬については女性陣にお願いしますよ!(笑)

シリル ええ、今回報酬聞く気ありませんよ、このエルフ(笑)

ルカス ビルくんも像みせてくれたらオッケイとか言いそうだし!

パーティの外交官シリルは、困っている女性の頼みということで今回全くあてになりません。
ヴェーナー神殿がらみなので、ビルも無料奉仕上等状態。ルカスは(プレイヤーの希望とは裏腹に)タダ働きこそ拒否しますが、金額の大小にはあまり興味がない様子。
男性陣のきなみアウトということで、今回の報酬交渉はジリィーの担当になったようです。

ジリィー じゃ、ジリたん聞いてみる。「護衛……となるとやっぱりそれなりにこっちも用意しなきゃならないもの出てくるのよね……。というわけで、いくらくらい出せる?」

GM 相場だと5000ガメルぐらいかな?

ルカス 3000でいいけど、くれるならもっとくれ(笑)

GM ベロニカ「あまりお金がないもので3000ガメルぐらいしかだせませんが…」

ビル 誰か、ビルの口塞いでね。「ヴェーナー様のお祭りで事件が起こったら困るし、だからと言ってそれで商売するのも嫌だから無料奉仕で良いよ」

ルカス 止める!!(笑)そして引きずる!「ビルくん、寝言は寝て言うんだよ」

ビル むごむご。

ビル ふぎゃー。

ビル しーん(向こうの方で静かになった)。

シリル ルカスこわいです。

フラム ルカスがだんだん黒くなっていく〜。

ルカス 裕福な家に生まれたので、最近の金に困る日々でゆがみはじめました。

GM パーティーとしてどうします?

ルカス 受けるよ。3000で。「まかせといて!」

GM ベロニカ「ありがとうございます」

シリル 「誠心誠意、護衛させていただきます」

ジリィー 「えー、じゃあこの後、皆でベロニカさんのお家訪問?」ジリたん、ライさんたちについて聞いて回りたい様子。

GM ベロニカ「そうですね。よろしければ私のうちへお願いします」

ルカス 「べーさん、作品は完成してるの?」

GM ベロニカ「作品もまだ作成中です」

ルカス 「……じゃあ、早く戻った方がいいよね」

シリル 「工房もご自宅ですか?」

GM ベロニカ「家に工房を作ると周囲から苦情が来るので、工房は別に借りています」

フラム 「ベロニカさん、依頼は『作品を無事出品すること』でいいのよね?」

GM ベロニカ「できれば私自身の安全もお願いしたいんですが」

フラム 「祭りまで?」

GM ベロニカ「祭りまでの護衛です」

ルカス それで祭りの後に殺されたら後味悪いな……。

シリル ブラックな想像はやめてください。「作りかけの作品は、ずっと工房に置いていらっしゃるのですか?」

GM ベロニカ「はい、工房に保管しています」

シリル 「それでは、これからまたお仕事にかかられるのでしたら、工房までご一緒しましょうか」

GM ベロニカ「わかりました、では工房にご案内します」

工房街にて

一行はベロニカさんの工房に案内されました。周りも工房ばかりで、にぎやかです。

GM あちこちで、トンカンいってます。

ビル 「締め切りが近いんだね」(ホロリ)

ルカス 皆最後の追い込みか……。わかる、わかるぞう(つ0T)。

ビル そこらかしこで「落ちる〜」って叫び声が(ホロリ)

GM いや、まだ一週間前だからそこまでは。「一週間徹夜だ〜」という発言が聞こえるだけで。

ルカス うわあぁぁぁぁ<(T0T)>。

シリル さて、まず作品を見せてもらえます?

GM では、工房に入りました。工房自体は10畳程度の小さな部屋です。

ジリィー 「作りかけの作品は無事?」

GM 作品は無事です。部屋の中央に台があり、作りかけのヴェーナー像と、モデルとしてる絵が置いてあります。

ルカス モデルにしてる絵とは?

GM ヴェーナー神が車輪を持っている絵ですね。全身が入ってます。

ルカス 「生身のモデル使ったほうがよくない? べーさんが頼めばしーさん、服だって脱ぐよ!」とシリルの背中をどーんと!

シリル 目を白黒させてますが。「……エルフを神像のモデルにしてどうするんです……?」

ジリィー ……ルカス、何だか人格変わってない?

ルカス あれ、これは天然発言じゃね?(笑)

ジリィー そうか? 天然装っている腹黒いヒトの発言に思えるよ(笑)

ルカス そんなの前からだよ!(超笑顔)

ジリィー 断じて違う! ルカスはもっと白い! 桂木さんはもっと黒いけど!!(笑)

ルカス 穂高さんがルカスに夢見すぎなんだよ……。

ジリィー なんですって、きー!!

GM ベロニカ「モデルの方にも、通いでお願いしています。」

ルカス 「そのモデルって、誰なの?」

GM ベロニカ「ランドさんとおっしゃる方です」

ルカス 「モデルとして有名なヒト?」

GM ベロニカ「いえ、同じ芸術家の方です」

ルカス 「その人は締め切りに追われてないの?」

GM ベロニカ「その人は演劇が専門の方ですので、夏はそれほどでもないんです」

ビル しげしげと絵を眺めてみようかなー。

シリル 「こちらの絵は? どういった由来のものですか?」

ルカス 像をじっくり見てみて、何か気付く事とかあります?

GM 特にはありません。

GM ベロニカ「絵はよくある構図のものです。ビルさんであればご存知じゃないですか」

ビル ビル知ってるの?(汗)

GM 知ってていいです。良くある構図なので。配布:ヴェーナー神殿、みたいなものです。

フラム ヴェーナー神の木像を出す、ってのが問題なのかも。それがひとつしかなければライさんの作品だと思うでしょうしね。

シリル 絵自体が芸術家の作だとか、有名な作品の模写とか、そういうわけではないんですね。

GM そうです。

ジリィー ランドさん、通ってきているのよね? じゃあ、ガラの悪い連中が気にしているのってベロニカさんじゃなくてランドさん(絡み)の方じゃない?

ルカス うん。ランドさんの顔が表に出ちゃいけない、ってのも考えたけど。「この像の顔のモデルはランドさん?」

GM ベロニカ「いえ、特定の誰かに似ないように注意しています。それによって、困る方がいるかもしれませんし」

ジリィー ライさん、クライスさんのどちらかの困るネタをランドさんが握っているとか。

ルカス うーん。だったらランドさんの方を先に狙わないかなあ?

ジリィー 出品を取りやめればランドさんがここに通う理由もなくなるからそうしたい、という線もあるんじゃない?

シリル 「そのあたりの事情は、ここで考えているだけでは仕方ないでしょうから、手分けして調査しましょう」

ジリィー 「そうね、それしかないわね。じゃあ、うちはルカスと一緒に聞き込み!」

ルカス 「いや、オレ、ここでべーさんの護衛するよ?」

ジリィー 「えー、ルカスが残るのー(不満)」

ルカス 他に誰がのこんねん!

ジリィー ジリたんも残りたいー。でも我慢するー(笑)「じゃあ、サクサクっと聞き込みに行きたい。早く戻ってきたい(笑)」

シリル 「ベロニカさんは、このあとは夜までこちらで作業をなさいますか?」

GM ベロニカ「そうです。今日は食事以外は夜まで作業します」

ルカス 念のため、これからは毎晩家に戻る時に像も持ち帰ってもらったほうがいいよね。

シリル 動かせるなら、そのほうがよさそうですね。

フラム 小さいものですから、動かしても大丈夫でしょう。

GM ベロニカ「それから……護衛を頼んでおいて申し訳ないのですが、製作中は工房の中に入らないようにしていただけますか。気が散りますので……」

ルカス 「突然騒がしくなったらごめんね」ととりあえず言っておこう。

さて、パーティは聞き込み班と警護班に分かれて行動を開始します。
聞き込み班は、ビルがヴェーナー神殿へ、フラムが魔術の学院へと、ここまではスムーズに決定。残ったシーフ2名のうち、盗賊ギルドをシリルが担当し、ジリィーはルカスとともに依頼人の警護のため、工房に残ります。 (シリルPL「ジリたんが行ってるの見たことない気がする(笑)」 ジリィーPL「だって、いつもシリルが行ってくれるんだもん(笑)」)
なにかあったときの単独行動要員ということもありますが、ルカス命のジリィーの「残りたい!」という熱烈な希望ももちろん影響しています。

シリル 「……ルカスの記憶力はあてにならないと思いますので、各自の報告を覚えておいてくださると助かります、ジリィー」と言い置いていきますね。

ルカス どうせオレはゴブリンの生態しか覚えてないよ……。

ヴェーナー神殿(若宮)にて:ビル

ビル 運営委員の責任者って誰ですか?

GM 若宮の責任者はヴォーデンさんです。本殿のほうはよくわかりません。

ビル ヴォーデンさんに会いに行きます。

ビル 「あのですね、最近街中で祭りの騒ぎに乗じて、なんか事件起こってません?」

GM ヴォーデン「おお、耳がはやいな、ビル。あちこちで、参加者が脅しを受けていてな。どうしたものかと悩んでいたところだよ」

ビル 「やっぱ彫刻部門ですか?」

GM ヴォーデン「いや、中心は本の部門だな。他の部門もあちこちに被害があるようだ。こんなことがまかり通ると、ヴェーナー神殿では審査不正があるという以前からの根強い噂を強化することになってしまうので、対処しなければと困っていてな」

ビル 「うう、そりゃまずいですよね、一肌脱がしていただきたいです」

警護中のルカス 「対処するからお金ください」的発言は期待するだけムダでしょうか。

移動中のシリル まあ、ビルくんですから……。

警護中のルカス ですよね(笑)

GM ヴォーデン「ほう、やってくれるか」

ビル 「はい、ヴェーナー様のためですし」

GM ヴォーデン「うむ。苦労をかけるな」がしっと握手。

ビル 「あっ……」

ビル 「神の声は聞こえませんでしたが、仲間の声が聞こえた気がします」

警護中のルカス ……! てれぱしーが通じた!

警護中のジリィー 通じるのか!(笑)

移動中のシリル ビルくんの受信機、性能アップしてますね。

GM ヴォーデン「ほう、なんと聞こえたのだ?」

ビル 「報酬欲しいー、金欲しいーって。空耳だとは思うんですが」

GM ヴォーデン「そうだな。きっと空耳だな(笑」

ビル 「ですよねー(笑)」

警護中のルカス うおぃ!!

警護中のジリィー 片付けられた!!

盗賊ギルド前のシリル 絶妙に役に立たねぇ!

GM ヴォーデン「では、頼むぞ」といって、『お願い』を受けた人のリストを渡します。

ビル 「一体、どんな被害が出ているんでしょう? 脅しばかりですか?」

GM ヴォーデン「そうだな、聞いている限りでは脅しばかりだ」

ビル 「やはり同一人物なのでしょうか?」

GM ヴォーデン「人相を聞いたところ、同一人物というわけではないが、そんなに多人数でもないようだ」

ビル 「ふむふむ、グループでの仕業って感じですね。神殿では現在マークしてる人物なんてのはいます?」

GM ヴォーデン「こちらとしては、まだ手がかりを探している段階で、そこまで絞り込めていないな」

ビル 「絞り込めてないって事は候補くらいいるんですか、やっぱり」

GM ヴォーデン「人相から探していっているが、現在のところは成果があがっていない」

ビル 「うーん、一度このリストを持って仲間と相談してみます。裏の方に詳しい仲間もいますし」

GM ヴォーデン「よろしく。ああ、そうそう。捜査にお金が必要だったらこれを使ってくれ」といって、1000ガメルもらいます。

盗賊ギルド前のシリル いい人だ!

警護中のルカス スバラシイ。

ビル 「こんな大金、いただけませ……」

警護中のジリィー こら!

警護中のルカス いただいとけ!!(笑)

ビル 「ありがたく頂いておきます」

ビル 「また、情報があったら教えてください。こちらからもまた聞きに来るとは思いますけど」

GM ヴォーデン「無事、解決できたら褒賞を貰えるか、交渉しておこう。頼むぞ」

ビル 「はい、では失礼します」といって、工房街に戻ります。

魔術の学院にて:フラム

GM サンディー「あら、フラム。今日はどうしたの?」

フラム 「こんにちは。えーと、お祭りに関して、何か魔法関係のトラブル起きてません?」

GM サンディー「魔法関係のトラブルは聞いてないわね。でも、なんか最近怖い人に脅されて、夏祭りの出品をやめたひとはいるわよ」

フラム 「あら、脅しが横行してるんですか?」

GM サンディー「みたいね。誰がやってるのかしら」

フラム 「誰がやってるんでしょうねぇ。そういや、今年も美術品:本の部門、楽しみですね」

GM サンディー「そうね。私も楽しみにしてるわ」

フラム 「今年の本の部門で、前評判の高い作り手さんとか聞いてます?」

GM サンディー「去年の最優秀賞だったジャックさんとか、ジャックさんと双璧をなすといわれているメラニーさんあたりかしらね」

フラム 「へぇ。楽しみにしてますね。彫刻部門とかは?」

GM サンディー「ライさんやクライスさんかしら」

フラム 「名だたる方々ですね。彼らは今年、妨害に負けず出品するのかしら? 出品をやめた場合のメリットって何があるのか、どう思います?」

GM サンディー「さあ? 彼らが妨害されてるって話も聞いてないし。出品をやめるメリットってあるのかしら?」

フラム 普通はないですよね。うーん、テレパシーの皆々様。なにかあります?

警護中のルカス ……特にないかなあ?

フラム では帰ることにします。「どうもありがとうございました〜」

GM サンディー「さようなら〜。今度はお茶しましょうね〜」

盗賊ギルドにて:シリル

シリル まず、脅してた男の似顔絵描きたいんですけど。(ころころ)『10』。

GM そこそこ、似てる。かな?

シリル ……戻ってジリたんに描いてもらおうかな……。まあいいや。ギルドに入ります。

GM グラディス「おう。どうした」

シリル 「夏祭りに出品するなと脅された芸術家がいまして。脅していたのはこういう男です」と似顔絵を見せる。

シリル 「ご存じないですか?」

GM グラディス「うーん。別に知ってる顔ではないな」

シリル 「そうですか。他にこういったトラブルが起きているという話はあります?」

GM グラディス「100ガメルもらっていいいか」

シリル 払います。

GM グラディス「うん。どうやら脅しまわってるグループがいるようだな」

シリル 「ほう。脅してまわっているということは、この一件だけではないのですね。ギルド員が関わっているという話は?」

GM グラディス「ギルド員がかかわっていたとしても教えられないな」

シリル 「了解です。脅されたのはどういった人々でしょうか」

GM グラディス「主に夏祭りの出品者が対象のようだが、それにしては脅す部門がバラバラだったり、そもそも出品しない者まで脅迫にあってるようだ」

シリル 「出品しない者まで……というのは、出品歴はあるけれど今回は参加しないということですか?」

GM グラディス「過去に出品したかどうかは分からんが、ここ数年は確実に出してないものまで脅されている」

シリル 「とすると、脅されている人物の共通点は、芸術家という以外には全く見えていないのですね? 作品傾向や、当人の特徴などを考えても?」

GM グラディス「ん? 芸術家と言った記憶はないが」

シリル 「おっと、失礼しました。ということは逆に、芸術家に限った話ですらない? 本当に行き当たりばったりに脅してる感じなんでしょうか」

GM グラディス「行き当たりばったりではないようだがな。……そこまで聞くならもう100ガメルもらおうか」

シリル 払います。

GM グラディス「芸術家というよりは、知識層を狙っている印象はある。あと、脅された人はすべて女性だな」

警護中のルカス 女の敵!!

シリル 「それは許せませんね」

GM グラディス「出品者にしても、本の部門の出品者が多く狙われているな」

シリル 「脅された女性たちの、作品の傾向というのはわかります?」

GM グラディス「そこまでは調査してない」

盗賊ギルドの線からも、複数の脅しの事例が出てきました。どうやら、事態は個人的な問題ではなさそうです。
念のため、今までに名前の出たライ、クライス、ランドについて聞いてみますが、得にめぼしい情報はありませんでした。
また、 テレパシー組経由の質問から、彫刻部門の女性有力候補としてハンナという名前が浮上します。

シリル 「いろいろとありがとうございます。またなにかあったら伺います」

GM グラディス「ああ、そうそうシリル」と呼び止めます。

シリル 「はい?」

GM グラディス「フラムがなにかやったらしく、盗みの長からこちらに抗議がきていたぞ。あまり派手にやると、手を下さざるを得ないから、注意しとけよ」

シリル 「……あー……。わかりました。こちらからも伝えておきます。ご忠告ありがとうございます(ぺこり)」

GM グラディス「うむ。あまり構成員に手は出したくないからな」

フラム くすん。追い剥ぎは一度までってことね。

リプレイでは省略しましたが、前回、フラムは捕獲したダークエルフの装備品を売ってお金に換えるという行動に出ました。
これがギルドのルールに抵触するとして、目をつけられてしまったようです。
ギルドの制裁は、連帯責任としてパーティ全員が対象になります。GMが難色を示すような行動はほどほどにしましょうね、フラム。

シリル 「以後気をつけます。それでは、お世話になりました」

GM グラディス「ま、がんばってくれ」

ふたたび工房にて、相談タイム

ルカス ふーむ。べーさんは壁サークルだけど超大手と言うほどでもないわけですな。

GM 壁サークルとか、超大手とか、専門用語がちらほらと…(笑

ルカス 旧晴海で言うA館がライさんとかでしょ?(笑)

フラム 東京の地理は分かりません!

シリル せんもんようごでかいわしないでくださーい。

ジリィー 懐かしい話を出すなぁ。でもA館でわかる人、どのくらいいるの? ワタシはわからん。

GM そのたとえでいうと、ベロニカさんは壁サークルにもう少しでなれるところか。

ルカス 壁にもなってないのか!

もう完全に「例大祭=夏コミ」という図式になってますね。
ネタわかんない人スミマセン。

フラム ビルがもらってきた被害者リストには何人くらいの名前が記載されていますか?

GM 15人ぐらいかな。

シリル リストに書いてあるのは、被害者の名前だけでしょうか? 部門とか、作品傾向とかの情報が知りたい。

GM ああ、部門は記載があります。本の部が10名、絵画が2名、彫刻が1名、その他が2名ですね。

ルカス やっぱりほとんどが本、と。

シリル 「ベロニカさんは男性像専門でしたね。他のかたも、作品に特定の傾向はあるのでしょうか」

ビル 「作品の傾向はリストから何人か選んで、家を訪ねてみたらいいんじゃない?」

ジリィー 被害者の中で見知った名前はあるかしら?

GM では、セージかバードで知力チェックしてください。

ルカス (ころころ)いえーい!! 1ゾロ!

ジリィー (ころころ)『6』。低っ!

フラム (ころころ)『13』。

ビル (ころころ)『10』。

シリル (ころころ)平目で『10』。

ルカス 最初のダイスで1ゾロだよ。景気いいなーオレ。

ジリィー その調子でいってください、ワタシが助かります(笑)

GM フラムは本の部門の一人に記憶があります。恋愛関係の小説を書くのが上手な人ですね。

フラム ……うっわ、フラム、読みそうにない!

ビル 「へー、お嬢もそんなの読むんだー(笑)」

ジリィー 「意外かもー」

フラム なんでそんな作者知ってるんだろう?

GM まあ、読むのと、知ってるのは別だから。

ルカス そうか……1ゾロなくらい興味ないのか、オレ(笑)

シリル 平目で10な私は何をどう知っているのだろう……。

ルカス こっそり、二番目に詳しいですもんね。

シリル きっと人間社会の芸術に興味があるんですよ。

ビル 3もボーナスあるのに悔しいぞ(笑)

ジリィー …もっと悔しいぞ!(笑)

ジリィー 「……で、フラム。どの名前に覚えがあるわけ?」

フラム 「これ。私、実用書しか読まないから、読んだことないんだけどね」

GM オリヴィアさんですね。

被害届けのリストを読み込んでみたところ、今までに上がった有力候補の名前がほとんどないことに気がつきます。
調べるにつれ人名もどんどん増え、頭が混乱してきたパーティは、ここで現在わかっていることをリストアップしてみました。

ジリィー 「……出品しない者まで脅迫にあってるって話なのよね。それ、なんか不思議じゃない?」

シリル 「今回出品するかどうかの情報は、脅迫者はつかんでいないということでしょうね。盗賊ギルドでは、過去の出品者かどうかまではさすがに把握していないようです」

ルカス 「べーさん含めて16人+αが何かに名を連ねてて、そこの名簿から脅迫に回ってるとかさ」

フラム ああ、なるほど〜。

ジリィー 「でも、何の名簿かしら。中心は本の部門なんでしょう? ベロニカさんの専門は彫刻だし……」

どうやら脅迫の被害者には何らかの共通点がありそうなのですが、それがなんなのか、一向に見えてきません。
すでに時刻は深夜で、いまから聞き込みに出かけるわけにもいかず、 頭を抱える冒険者たち。
とりあえず、ベロニカさんが作業を終えるのを待ってリストを見てもらい、心当たりをたずねることにします。

GM じゃあ、中のほうもだんだん静かになってきます。そして、ベロニカさんが出てきました。

GM ベロニカ「皆さん遅くまでご苦労様です。今日はこれで家に帰ります」手にはヴェーナーの像を持ってます。

ビル 「ベロさん、さっそくだけどこのリストに見覚えない?」

ジリィー 「うん、疲れているところを悪いんだけど、お家に帰る前にちょっと見てもらいたいな」

GM ベロニカ「なんですか、このリスト?」

シリル 「実は、貴方と同様の被害にあっている方が、これだけいるらしいのですが……」

ビル 「何かしら共通点があるのかなーと」

ルカス 「知ってる人居ない?」

GM ベロニカ「彫刻部門のメリッサさんは存じ上げてます。動物の彫像の好きな方ですね」

ビル 彫刻仲間で、動物彫像か。やっぱモチーフはバラバラだなー。

ジリィー ガイシャを繋ぐ線が見えてこない……がくっ……。

フラム おや、たしかクライスさんも動物の彫刻が得意だったんじゃ?

ビル となると、メラニーさんは恋愛小説が得意だったりして。

フラム 明日、学院に行ってサンディーさんに聞いてくる(笑)

ルカス 皆パクりかよ!(笑)

ジリィー 出品されるとパクりがバレるので脅した、他はダミー……って?(笑)

ビル 有力候補者が皆、一番ライバル視というか、被るモチーフの参加者を共同で雇ったグループに脅させてるとか?

ジリィー パクりをパクっていたとか?(笑)

ルカス モトネタが誰だかわからなくなるんだね(笑)

フラム ……本って、ジャンルかぶること多いよね……?

ルカス Aさんが葵上、Bさんが六条、Cさんが紫の上……で、全部ぱくって源氏物語作ったとかか?(笑)

ジリィー いや、リレーというオチもあるぞ、本部門(笑)

シリル ……立ち話もなんですので、ベロニカさん送って行ってあげましょうよ、みなさん(笑)

ベロニカさんは女性の一人暮らしということなので、女性ふたり+シリルで自宅まで送っていくことに。

ビル じゃ、工房にはルカスとビルが残ろうか?

ルカス そだね。守る必要あるのかわからんけど。あとシリルが美味しいのがくやしいけど(笑)

シリル あ、やっぱり?(笑)というか、引き止められるかと思いましたけど。シーフ組全員行っちゃったから。

ルカス あー! ホントだよ! 行かないでシリル!

ルカス君の叫びはひとあし遅かったようです。
四人は無事にベロニカさん宅に到着。ジリィーとフラムが護衛として泊り込み、シリルは外で番犬になっています。

……そして何事もなく、爽やかな朝を迎えたのでした。

後半へ続く