八色の宝珠に守られた国――フェデリア。

そのひとつ、白の宝珠に選ばれた巫女が、十七歳の騎士クリスの新しいあるじとなった。

白珠の巫女はなにもかも自分と違って、クリスは戸惑いを隠せない。

けれどさまざまな出来事が、やがてひとつの想いをつのらせる。


このひとを守りたい――


だが、クリスは知らない。

おなじ想いが、もうひとつの心の中で、ひそやかに育っていたことを。






白珠の巫女